統計熱力学おさらい2
第二回おさらい
今日のおしながき
今日のまとめと反省
このシリーズの講義では,最初から量子力学の詳細は想定外であった.それはみなさんが量子論を知らないからというのでは全くなくて,5学期に「量子統計力学」がカリキュラムに組まれているからである.その辺りの事情と同時に,講義で振れるであろう量子力学と統計力学の関係を予告編のように話をしておく.
さて,次に確率・統計の復習として,簡単な例題を考えることにした.それはおはじく分配問題である.問題の設定をして,確率を導入するということをお話する.あんまり,強調しすぎるのもよくなかったかもしれないが,大学受験の問題としては一度くらいはやったことがある問題だったかもしれない.等重率の仮定から確率を導入し,最後には期待値を計算する.ちょっとした数学的な変形が実際の計算をとても簡単にしてくれる.それは統計力学の問題を解くときにも基本的な手法である.期待値は和を計算するのではなくて,微分で計算する方が断然便利である.ということをもっと強調すべきであった.
今日の宿題
- 途中の計算をフォローせよ.
- スターリングの公式を2通りの方法で証明せよ.また,どのくらいの``N''で近似がよくなるかを電卓を叩いて確かめよ.
- 講義ではの期待値を計算したが,同様にの期待値,分散を求めよ.
今日の質問
講義の時に質問するのはよいことだと言ったせいなのか.ボチボチ質問が出てきました.いいことです.
それじゃ,マクロな観測量に対する決定論的な理論を作ればよいのか?
ミクロな状態を真面目に決定論的に追いかけるのは無理だし,できでもよいかどうかはよくわからん.でも,ミクロな状態からマクロな物理に関する理論を作りたいとするとどうすればよいか...とそこで上の突っ込みが入りました.ミクロな情報を基礎にして,それができればいいかもしれないが,果してできるだろうか.統計力学でやっていることは,次回にその大枠は見ることができるので,そこまでお楽しみに.
がいつのまにかになっている?!
確率分布ができて,それから期待値を計算するときに,和は0からまでなのだが,知らんぷりしてにしていました.実は,その確率分布が規格化されているというのも,無限まで和をとったときに実現されている.スターリングの公式やらN,Mが大きいとした近似のツケがここに出てきていると思える.
が最大になっているのは何かヘンな気がする??
こういう感覚は大事です.そう思ったら,自分で電卓を叩いてみるのがいいのではないだろうか?上にも言ったように近似の悪さがでてきていることがあるし,Mが大きい極限をとってみると何が起きるかを見てみるのもよい.いろいろ自分で試してみられよ.何も疑問を持たずに一コマの講義が過ぎてしまうことがあるのに対して,こうした疑問が沸くのは健全な証拠.是非自分の疑問につき合ってほしいところである.
の右にあるはの関数では??
期待値を微分で求める方法を説明したときに,少々困惑させてしまったかもしれない.これはあくまでも技術的な問題で,mをyの関数で表したいわけではないのである.よく復習しておいてほしい.
今日の雑談
- 今日の投票数は, 45でした.微弱ですが,この調子で最終回まで行けばいいですね.基礎科が30人そこそこだとすると,お客さんが結構いるということのようです.
- 今日のアンケートは,「オフィスアワーの設定時間」でしたが,有効回答数35のうちの最大得票時間は,11票の木曜4限でした.もうひとつの総合科目のアンケート結果が木曜の5限だったので,そこらへんの時間帯はおそらく講義の準備をしているとおもうので,くっつけてオフィスアワーとすることにしました.まあ,その時間に限らず質問には来てもらって結構です.その時はアポとっておいた方が確実だと思います.
- 先週の反省から,今日は昼休みにイスに座らないことにした.生協に出向いて,ジュースを買ってきて,そのまま立ち続けて,テンションを下げないように試みた.おかげで,昼休みにドヘッと来ることはなく,講義に出向けた.しかし,考えてみるといつのころからだろうか体力と気力の勢力が入れ替わったのは?若いころは徹夜も平気な体力があったが,当時は残念ながら心が弱かったように思う.見渡せば出来ないことばかりで,どっちを向いても八方塞がりですぐに心が折れていた.ところが,ここのところは,あまり状況はかわっていないようでも,二の手三の手が思い浮かばないわけではない.今度は,その手を一つずつツブしていく体力がないというわけである.まだまだ若いようでも,課題を前に倒れるように(よだれをたらしながら)寝てしまうことが多い.これも気力の弱さと言えなくはないかな.
[このページのアクセス数:195]
[ページのアクセス数: 0224488]
最終更新時間:2005年10月17日 10時07分33秒