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統計熱力学おさらい11

第11回おさらい

今日のおしながき

今日のまとめと反省

あけましておめでとうございます.講義もあと残すところ数回ですが,よろしくお願いします.年を跨いで,間が悪いのだが,平均場近似の続きを話す.復習を兼ねて,前回のアウトラインをサーと概観する.思い出せたかなー.

今回はまず平均磁化の決定方程式(self-consistent Eq.)を解くことから始める.今日の計算のほとんど全てが高校の時の解析の内容で出来てしまう.高校の時に何が面白くて増減表なんて作るんだろうと思っていた人達にとっては少なくともここで一つの例題に出くわしましたね.方程式を解くと言っても,まずは磁場が無い場合について,グラフで解の性質を見てみることにする.方程式の左辺と右辺をグラフにして,温度がパラメータになっていて,そのパラメータを変化させたときの解の変化を簡単に見ておく.ある閾温度があって,それよりも高温ではm=0しか解がないのに,低温では複数解が出てくることがわかる.どっちがよいかは自由エネルギーの大小で判断される.ここで増減表である.確かに,温度が下ルと,m=0から0以外の有限の値に定性的に変化する.これを相転移と呼ぶ.mの温度依存性は,簡単にわかるところから調べておく.転移温度近傍と絶対零度近傍.その中間は宿題にする.もちろん,どうやって解くかも示しておきました.数値的に解くということはあまりなれていないかもしれないけど,それほど難しいことではなくて,むしろこんなにコンピュータが身近になっているのだから,これくらいの方程式は簡単に解いてみましょう.

エントロピーとか比熱を調べてみると,特徴的な温度依存性をしめすのだけど,それらはすべて宿題にしてしまって,講義では磁化率だけ示しておく.二準位系でキュリー則を示したその量は,今度は転移温度にめがけて発散することがわかる.とても派手である.

さて,最後にこの相転移という現象がいかに変わっているかを話しながら,みなさんを混乱させてみようと思った.まずは,磁場が少しでも入ってしまうと,相転移が起きないことを見てみた.それから,磁場が無いときには模型がスピンを全反転してもエネルギーを不変にする対称性を持っているために,平均磁化はゼロになることを示す.これはカノニカル分布の期待値としてはどのような意味を持っているかを説明してから,指数関数の解析性の話をする.いろいろしゃべった(あんまりまとまっていなかったか)が,相転移は普通に考えると起きなさそうな気分になったのではないだろうか.さて,その答えは半分くらいは講義で話しました.つぶつぶの一つをじっくり調べてみても,絶対に相転移は説明出来ないと初回に話したことを覚えていた人がいたとしたら,その答えは今回でわかったかな.

ここで10分前になったし,区切りもいいので終了!

今日の宿題

なんかいっぱい宿題を出してしまいました.

  • 平均磁化の温度依存性を求めよ.例えばこんな感じmag.txt(74).できればグラフに描いてみよ.
  • 自由エネルギーの温度依存性,エントロピーの温度依存性を調べてみて,その意味を考えよ.特に,二準位系との違いを考察せよ.
  • 磁化率の計算の詳細をサボったので,最後までフォローせよ.特に転移温度の低温側から転移温度に近付いたときの様子を詳しく調べよ.
  • 平均場近似で熱力学極限をどこで施しているか,また,対称性の破れた解を見付けるために行った操作はどこか?(これは講義中にはあからさまには話していない.さーてどこかな?)

配布するファイル

今日はなし.

  • (2006.1.11): 来週配る予定のプリント(練習問題の解答例)を先行アップ:note-ans-v4.pdf(520)

今日の質問

最近ババーと行きすぎているのか,質問がない...寂しい.

今日の投票用紙の裏より

キリキリキリキリキリキリキリキリ

カリカリカリカリ.

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 23でした.段々,人が減っているなー.これはちょっと減りすぎかもしれない.給料泥ボーと言われても反論できない...
  • 講義中に話そうかと思って時間がなくて話せなかったのは,昨今はやっている捏造事件.とうとう科学の業界でも賑わってしまっている.家でとっている(メジャー)新聞の論調もなんかヘンな感じなんだけど,どう思いますか,みなさん.

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最終更新時間:2006年01月11日 13時05分05秒