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統計熱力学2006おさらい10

統計熱力学第10回おさらい

今日のおしながき

  • 基本的応用
    • 3-3-2 平均場近似と相転移

今日のまとめと反省

前回,平均場m0の自己無憧着方程式を求めて,その解の定性的な振る舞いをもとめました.そこから,m0の温度依存性に閾値的な振舞をみてとることができました.つまり,高温では0だが,ある温度から有限になることです.もっとも,他にもm0=0の解も存在していましたので,今回はどの解がよいのかを議論することにしました.まず,熱力学の考察から自由エネルギーの極小条件からm0を決めようとする考え方があります.ここで"F"は自由エネルギーか?という問題はありますが,擬似的にそうだと考えて,とりうるm0の値からその極小条件で決めることにします.もうひとつの考え方は,確率分布がm0の関数になっていて,確率最大化をとることです.両者は同じ条件を与えます.自己無憧着方程式は局所条件になっているので,その中から極小条件を満たす解を選択するとすれば,低温でのm0=0は排除されます.

ここでもうひとつの問題は残しておいて,温度依存性を求めます.自己無憧着方程式は一般には解析的に解けないので,漸近的に評価できるところを抑えておきます.転移温度近傍と,低温近傍です.その中間は数値計算で求めることにして,そのアウトラインを示しておきました.次に帯磁率の温度依存性を計算して,それは転移温度で発散することを示しました.エネルギーや比熱は宿題にします.

最後に残された問題を考えることにします.それはもうひとつ残されていた解.±m0の解です.対称性とそこからの帰結からM=0が導かれること,有限サイズのMが解析的であること.相転移の存在は熱力学関数や物理量に特異性が現れることと対称性の破れで特徴づけられることをお話しする.相転移が現れるためには統計力学の議論では必ず熱力学極限をとることが必要であることがここから分かる.これは分子原子のスケールからひとつ上に別の階層があることを言っているように思えるわけで,そのあたりを議論しているうちに時間が来る.

今日の宿題

  • 平均場近似をした結果のエネルギーと比熱を求めよ.
  • 磁化m0の温度依存性を求めよ.講義では極限をしらべたが,その中間も数値計算して解を求めて,グラフに描いてみよう.極限とはどうつながっているだろうか?
    • 実際に数値計算するためのアウトラインは示した.プログラムがかけるならばちょー簡単だし,出来なくても電卓でも出来ますね.僕等の学生の時代は計算機に触るのには一苦労したものです.計算機センターにある計算機もいわゆるメインフレームってやつで気軽に計算させられた代物ではなかった.みなさんはマックですよ.これは使えます.使わないと損です.

配布するファイル

今日の質問

これこれ?

今日の投票用紙の裏より

あれこれ

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 13でした.
  • あまりにも減りすぎていて,もう言葉もありません...
  • 今日はちょっとつっ走った感じがします.最後の方なんかもう力で押しまくった感じ.いけませんね.冷静に抑えるのが好きなのに,こうまでも力に頼るとは...まあたまにはいいか...って反省しないといけません.

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最終更新時間:2007年01月13日 10時25分25秒