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統計熱力学2006おさらい4

第4回おさらい

今日のおしながき

  • 統計力学の基本的な考え方
    • 等重率の原理
    • カノニカル分布
      • カノニカル分布の導入

今日のまとめと反省

物理に確率の考え導入する前に,どこに何をするのかを明確にしておく必要がある.ここでは位相空間での運動の軌跡と位相空間での統計的な重みの話をする.ある観測量に関しては,運動の軌跡が完全に追えたとすると,別の表現に書くことができるというわけである.もちろん,これまでのように運動は完全には追えない立場になっているし,ミクロな状態の同定や時間平均について,いくつかの問題があることを指摘しておく.その上で,別の表現に対して確率を導入することにする.それが等重率の原理である.エネルギー一定のもとのミクロ状態は等確率で出現するというのは,非常に公平な取扱いにだが,これは運動が完全に追えないという無知の表現になっているようにも思える.

この等重率の原理から,おはじき問題流にカノニカル分布を出してみる.つまり,注目する系+巨大な熱浴があったときに,注目する系のミクロ状態の統計法則が知りたいわけである.この答えは,等重率の原理+熱浴が巨大であることだけから導くことができる.これがカノニカル分布である.少し気持ち悪いのは注目する系の確率が,熱浴の性質できまっていることである.この点を含めて次回にはもう少し議論を深めてみたい.

今日の宿題

  • カノニカル分布の導出のからくりをよく復習しておいて欲しい.

配布するファイル

  • 次回配る予定のプリント:note-ans-sm2006-v1.pdf(122) 間違いがあったら,御指摘ください.

今日の質問

時間平均は大事か?

エルゴード定理は本質的ではないと聞いたんですけど...どうみても消化不良だったので,何が問題なのかを議論しました.

今日の投票用紙の裏より

他の分野との関連性をもっと知りたいです.

そうですね.統計力学の問題は大きく分けて二つあると思います.一つは基礎理論部分.どのように確率という概念がないところに確率モデルを導入するかということです.もう一つはその確率モデルを具体的に計算して,確率的な予言をすることです.特に,後者では計算困難な問題に対する計算技術や予言そのものに新しい概念が含まれていたりします.講義では例題を通して,周辺分野との関連をお話できればよいかと考えていますが,どうでしょうか.物理の基本的な例題を見ながら,一般的な視点を学ぶのもいいかなーとも思っています.個別の例題を学びながら,ちょっと引いたときに大きなモノがみえたりすることはありますしね.

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 22でした.微妙に減っていますが,今日はこの数字以上に減った感がありましたね.講義開始時間に半分くらいしかいなかったです.ううう.
  • 今日のアンケート:講義に期待することを聞いてみました.
  • 今週からやっと通常モードだと思ったら,次の週はおやすみ立ったりして,なかなかペースをとるのが難しいです.私は今週?(11月の第一週)はずーと出張していて,イッパイイッパイでした.ここのページの更新もめちゃくちゃ遅れ気味.すまんです.

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最終更新時間:2006年11月07日 08時28分47秒