統計物理学2006おさらい3
統計物理学第3回おさらい
今日のおしながき
- 統計力学の基本的な考え方
- おはじき問題のつづき,中心極限定理
- 等重率の原理
今日のまとめと反省
前回にも話したかな?このおはじき問題は前振りというか,これからの物理の話しの伏線になっています.目標を失って,思考が止まっては困るので,伏線であることを明言してみました.これまでに2つのグループに分けて,その内の一つのグループ(マイノリティーグループ)がM1個のおはじきを持つ確率を求め,その期待値を計算した.それはまあ思いっきり当り前の結果だったのだが,今回は確率分布の形を求めてみた.大雑把な議論から,単調増加関数と単調減少関数の積で表せるので一つのピークを持ちそうだと想像できる.そのピークの位置と値を求めてみる.ここでやっている計算は高校の時の微分だけで,求めたいものが求まった.もう少し計算を進めると,確率分布はピーク位置の回りでガウス分布になっていることがわかる.大事なことはガウス分布の幅も計算できて,グループ人数依存性がわかることである.このままおもむろに非常に大きなN1にしてみる.例えばアボガドロ数である.そうすると,分布が非常に鋭くなる.ピーク値の半分の位置,いわゆる半値幅はN1のルートの逆数で決まるので,ものすごくせまい.逆に言えば,ほぼ確実にピークの位置が実現することがわかる.これがマクロな世界の非常に多い数で確率的な予言がほぼ正確になるからくりである.数学的には中心極限定理のことで,ある程度広井状況で一般的に示すことができる.練習問題には,他の例題が載せてある.それらを導くと,一般論もわかってくるだろう.
今日の宿題
- 以前に配った練習問題のうち,講義の復習の部分はできるはずです.是非,答えを配る前にノートを見ながらまとめておいて欲しいです.それから関連する問題もできるかな.
配布するファイル
- なし.
今日の質問
各粒子はエネルギーのやりとりをするのか?
δ関数?の式変形
今日の投票用紙の裏より
週のはじめがこの授業だと元気が出る.
私も週のはじめに講義があって,気合いが入ります.ただし,その後にお昼を挟んで,午後から研究室のセミナーがあって,それが終わると,もうそれはそれは体力残ってませーん.
もっとHPの授業内容の説明を詳しくしてほしい.
同感.先週休んだらよくわからない.
このコメントを読んで,まず前回のページをちゃんと加筆して,更新しました.それで...このページに手が回らなくなって...いかん,後手後手ふんでます.
今日の雑談
- 今日の投票数は, 68でした.
- 今日の講義が終わってから,大阪に出張して,IBIS2006という会議に参加してきました.情報論的学習理論ワークショップがその和名ですが,情報理論や応用数学だけでなく,統計物理を専門にしている人も少しは参加しています.統計力学のアイデアが役にたったりしているようで,講義に使えるネタはあったかなーー.ちょっと難しいかな.
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最終更新時間:2006年11月07日 22時37分02秒