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熱力学2008おさらい2

第2回おさらい

今日のおしながき

  • 熱力学の基本
    • 2 熱,熱量,熱容量
    • 3 熱平衡
    • 4 状態と状態方程式

今日のまとめと反省

前回の講義で温度は計測できることにしたので,今日は熱容量の観測の話に移る.もちろん,熱と熱量をその前に説明する必要がある.最近の教科書には熱を出さない本が多い.確かに私の講義でも熱をクリアに説明しているわけではないので,よくないかもしれない.でも,やはり厚い寒いが基本だろうという気がするわけでなのである.冷静になれば,経験温度計から始めて,熱力学の第一法則・第二法則を経て,熱力学的温度に戻ってくるのは,古典的だけど面白いと思うのだけどね.

熱容量とその簡略版計測方法を説明した後で,熱平衡状態と熱力学第0法則について説明する.これはとても自然な要請だけど,これがないと始まらないというわけである.さらに前提事項として温度の基本的な性質を説明する.このことから熱容量が一定の符号を持つことが結論付けられる.熱容量とはどんな量なのかを理解するにはよい練習だと思う.次に,熱力学ででてくる状態に付いて説明する.これは簡単なようで,そうでもないように思う.特に現代的にはミクロな原子分子の世界知っているので,それ,つまり力学的状態との違いを語る.そもそも状態を指定するのにどのくらいの変数がいるかはまったく異なる.何を見るかというところが大事だと説明しているところでタイムアップ.

今日の宿題

  • 比熱の符号が一定であることを,温度の性質から導け.できたら,落ち着いて,何から何を示したことになっているかを考えよ.

配布するファイル

今週はなし.来週は練習問題とレポート問題を配る予定.

今日の質問

上の空洞はどうする?

熱容量の簡単計測法を説明しているときに,断熱壁の中の空洞はどうなっているかを突っ込まれた.断熱壁で囲むので,熱の出入りはないけども,空洞の空気には逃げる可能性があるだろうというわけである(そうは言わなかったけど,質問の意図はそうにちがいない).うーん,これはきっとわかっていて聞いているなーとは思ったけど,とりあえず答えはペンディングして先に進ませてもらう.温度計のもっているべき性質を議論したときに,この空洞をどのように考えればよいのかがわかるのでそこまで先伸ばしにした.のだけど,それを説明する前にタイムアップしてしまう.また,来週.

状態の指定について

ちょっと議論する.主張は,ミクロに状態をしてすればマクロには決まるはずだということだったと思う.それはそうだけど,逆はそうではない.我々のスケールでの熱力学的な状態を指定したときに,ミクロは状態はもちろん唯一には決まらない.いや,むしろものすごく沢山のミクロの状態が同じマクロな熱力学状態に対応している.そのときに,いちいちミクロを指定するのは現実的ではないし,実はあまり意味のないことである,というのが熱力学のいうところである.熱力学ができるころにはこんなことは考えてはいなかったと思うけどね.

熱量の単位は,どうして14度の水で決めるのか?

よくよく話をしてみると,温度を決める必然性がわからないということだったが.今日話したように熱容量は一般に温度に依存する.水も常温付近でも微妙に温度依存性があるわけなので,どこか温度を決めないとスケールは決まらない.ということで納得してもらう.でも,なんで14度かはわからない.

今日の投票用紙の裏より

まあ,いろいろ落書きがありました.プリキュアに反応している人がまだいます.根強い人気なのか?投票に「美墨なぎさ」さんがいました.

どうも,僕です.今日は復習がてら授業にもぐってます.

えーとだれかな?といっても名前かくわけにもいかないか?すこしづつヒントくれれば.わかるかも.

高校の範囲とかぶるところはサラッとやるだけでいい.

そうなんですね.でも,簡単なところが難しかったりするわけです.例えば温度を計るということはどういうことなのか?と考えるとね.力学もそうで,最初の一歩が実は結構難しい.何も考えなければいいのですけどね.でも,せっかく大学に来たのだから,なにかしらの問題が解けるだけではつまらないわけで,なにか大事な問題が設計できるようにならないといけない.そう思うと,何か問題を作ろうと思うと,最初の一歩でつまづくことが多い.

積分記号..気持ち悪い.

なれてください.

話すのがはやくてむしろ時間がたつのが遅く感じる.

えーと,それはよいことか?

板書の字が高校の時の先生の字に酷似している.

これは褒められてる?

マイク使わないんですか

聞こえない?そうならば使います.なんとなく,生歌の方がよいかと思っているのですが,年が年だけに声に張りがなくなっているかもしれません.

もう少し話の速度がはやくてもいいと思います.

そうですね.次回から気を付けます.

字が見やすくてうれしいです.

おおお.褒められてる...字で褒められることはめずらしい.でも,よく考えると,美しいでなくて,「みやすい」ですね.

あなたは私の担任らしいです.

私はこの子らの担任の先生だーとかいうんでしたっけ?

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 120でした.まあ,微小減少だが,ここでよい講義をしておかないと,後から雪崩のようにすごい現象関数になってしまうので注意が必要だ.3限の講義であることを考えると,100を切ると敗北だろう.
  • 今日のアンケート
大学の講義やこの講義に期待することはなにか?
  • 毎年,講義の最初の方で聞くことにしている.特に意図があるわけではないけど,学生の傾向を知るには聞きつづけることはいいだろう.ただし,この質問はよくないのか,腰砕けになる返答が多い.この紙にまじめに語るのはちょっと抵抗があるのだろう.でもいくつか貴重なコメントを頂きました.ピックアップすると,
    • 内容に興味がもてること
    • 熱力学の本質を大学初年度の学力で理解できるよう
    • ある程度かみくだかれた説明がされること
    • 入学時の学力差の出ない授業
      • 学力差か...それは段々見えなくなっていきます.それよりも個人のもっているポテンシャルの差はひしひしと感じるようになるのでは.もちろん,それは後天的なものですよ.
  • 今日の講義の最初に多クラス聴講のみなさんへのエールを送っておいた.多くの1年生には関係なかったかもしれないけど,それでもどうしても言っておきたかったので...
  • このページを書くのが非常に遅れてしまった.いけませんね.
  • もしミクロを先に知ってしまっていたら,それでも熱力学を構築できただろうかと思うことがよくある.

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最終更新時間:2008年05月01日 23時42分40秒