熱力学2010おさらい5

熱力学 第5回おさらい

今日のおしながき

• 2-4熱力学第一法則の応用
  • 熱容量
  • 断熱曲線
• 3熱力学第二法則
  • 熱の移動する方向

今日のまとめと反省

第一法則を導いたので，それを使って言えることをいくつか説明する．まずは熱容量について，ざっくりとした定義は与えておいたが，あらためて状態量との関係を定義しておく．特に気体や液体を議論するときに定圧熱容量と定積熱容量は物性を特徴づける大事な量である．それぞれ定圧条件，定積条件から定義にしたがい，かつ第一法則を使うことによって，内部エネルギーとの関係つく．さらにそれらの大小関係を議論sする．直感的にはC_Pの方が大きい．なぜならば，これこれこういうことから．一方で，差は圧力一定の条件での体積の温度変化に比例している．温めると膨張するという直感があるとすれば，あとはその比例係数が常に正になるはず。。。などと思うと，その直感は間違っている．温めると縮むものもある．掛け算として正になると考えるのが正しい．具体例として理想気体のときに調べてみると，その差は気体定数となる．高校のときにも見たかもしれないマイヤーの法則である．実はこの特別な例だけでなく，広く一般にC_PはC_Vよりも大きいことがいえる．これをちゃんと示すためには第二法則が必要となる．

ここで、第二回のレポート問題，特に出題の趣旨を説明する．今度はむずかしいよ．

次に断熱曲線を説明．断熱曲線の満たす条件を第一法則から出してみると，これは微分方程式になることがわかる．実際に理想気体のときに計算してみる．結果として，断熱曲線は等温曲線よりも急な傾きを持つことがわかる．これもまた一般的にしめすことができる．この事実がカルノーサイクルをつくる上で大切となる．

とここまで，第二法則への前フリをたくさんやってきたわけだが，いよいよ第二法則の正解へ突入．

今日の宿題

• van der Waals状態方程式のC_PとC_Vの差を調べよ．
• ある熱力学状態を通過する等温曲線と断熱曲線の傾きの比は，理想気体の場合，定積熱容量と定圧熱容量の比に等しいことを示せ．

配布するファイル

• 第二回レポート問題:Report-2010-2.pdf(94)
  • 締切りは二週間後．

今日の質問

等温曲線と断熱曲線でつくるサイクルとは．

ばばーと絵を書いたところだったので，ゆっくりと説明する．同時に断熱曲線が交わることがないことも説明．理想気体のときは式をみるとすぐにわかる．一般の気体についてもそのことはいえる．もしそんなことがおきると。。。これは第二法則のときに説明します．

断熱曲線の満たす微分方程式はPの関数でもある？

そうですね．そのPのところに状態方程式を使うと，TとVの式に書き表せます．ということから状態方程式はとても大事ですね．理想気体でなくても状態方程式はあるのか？と聞かれたのだけど，状態方程式は物質を特徴づける大事な情報で，物質毎に存在するものです．

今日の投票用紙の裏より(水曜)

ねむい

水曜クラスは昼ご飯直後なので，ねむい時間帯ですね．どうでもよいことですが，最近としをとったのか、昼間は眠くなくなってきました．

偏微分のいじり方がわかんないや

もういじり倒すしかないです．

式ばっかりで何が言いたいのかわからない

これはこまりました．一番避けたいところです．いまのところ，講義ででてくる式はまあ算数なので，そこに深い物理があるわけではありません．だから，入り口と出口をしっかり理解することが大事ではないでしょうか．

(x*,y*)がf(x,y)の極大である条件のところですが，f:C^2級が足りないと思います．

そのとおりです！物理ではあんまりそのことは気にしないです．基本的にC^∞を想定しています．一方で，特異性が出てくると，物理ではおもしろことが起きていることの反映でもあるので，楽しいです．

今のプリキュアはどうですか？

まーなんとも．だんだんレベルは落ちていると思うが，子供向けならば力も入らないか，という感じ．

先生が五月病になったら治しますか？治しませんか？

うーーん，治す！

今日の雑談(水曜)

• 今日の投票数は， 88でした．ちょっと復活？ただ単に投票数が多かっただけか?あるいは，今日配るといっていた演習書効果か？

今日の雑談(月曜)

• 今日の投票数は， 77でした．こっちは減った．揺らぎが大きいなー．

• 今日のアンケート

講義の進み方はどうか？

• もう数字はむちゃくちゃです．

今回のWEB投票

• 今日の講義の出来は?(水曜)

• 今日の講義の出来は?(月曜)

今回の一行コメント

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