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力学B2007おさらい3

力学B第3回おさらい

今日のおしながき

  •  運動の三つの法則
    • 2-1 第一の法則(慣性の法則)
    • 2-2 第二の法則(運動方程式)

今日のまとめと反省

前回はちょっと物理の話がなかなか出てこなかったが,それでも運動を記述することと未来を予測するための考え方の話をした.今回は完全に物理の話である.ニュートンの三つの法則について話をする.当面のターゲットは質点の運動である.質量があるが大きさのない物体と説明すると,すぐに大きな誤解を生じることがある.例えば,衝突できない.空気抵抗を受けない...そうではないです.物体に作用する全ての力を考えた上で,最後にこっそり質点にするわけです.ですから,ブーメランの運動を記述する質点も考えることはできるわけです.一方で質点では記述できない運動ももちろんあるわけで,例えば回転が関係する運動はその典型です.その典型例として不思議な運動をするラトルバックを皆さんに見せてみた.素朴に不思議な運動だし,講義の後半に至るとその不思議さはもっと高尚な不思議さにかわるだろう.

おもちゃで遊ぶのはそこまでにして,三つの法則を順々に説明していく.第一法則は慣性の法則と言われるが,その意味をゆっくり見てみることにする.前回の運動の記述論からみると,等速運動をもってして力の存在しない状況を力強く宣言している.もちろん,その背景には慣性座標系が設定できることは想定している.

それに続いて,第二法則の話をする.今度は力があるときの定量的な運動の記述について言及していて,ここは前回の講義と関係しているところで,加速度のところを力という量で既定している.この法則は運動方程式を与えているが,この左辺と右辺をつなぐ等号に法則の意味が込められている.ここは数学的に示されるところではない.しかし,等号関係であるので,右から左をみたり,左から右をみたりすることができる.運動量の時間変化があったときに力があったと思い,力があるときには運動量は変化するというわけである.それぞれの具体的な例を示しておいた.後者はもちろん,運動方程式である微分方程式を解くわけである.実際にもっとも簡単な運動方程式を解いてみた.運動方程式は二階の微分方程式なので,二回積分すればいいわけである.積分してみたら,高校のときにならったかもしれない公式が出てきました.

最後に第三の法則を説明しようとしたところでタイムアップ.レポートの話をして終了.中途半端なところで切れてしまって,ゴールデンウィークに突入.今日の人数が減りませんように.

今日の宿題

  • 引き続き練習問題を解いてみてネ.
  • 今日のノートをきれいにまとめること.

配布するファイル

今日の質問

符号が間違ってる!

sin,cosの微分をするところを力強く間違えていました.しかも,二回間違えると元に戻るなどと開きなおってしまう,悪態ぶり.いけません.

t1って何?

積分するときに,積分領域に積分変数のtが入っているのは変なので,最終時間をt_1と勝手に名前を付けました.ちょっと説明不足だったかもしれません.

初期条件は誰が決めるのか?

これは自分で決めます.最初にどういう状況で質点を動かし始めたかは自分が勝手に設定します.むしろ,そんな設定をした後に,未来はどうなるかを知りたいので,自分で決めたいです.こんな説明でいいでしょうか.

第二法則はどうやって検証するのか?

上と同じ学生さんの質問だが,だんだん核心をつく質問になってくる.これは直接検証するのは難しいです.運動方程式を解いた運動の軌跡については簡単に検証可能です.それをもってして,その軌跡を導いた第二法則が正しいと考えるわけです.そう説明すると,「(間接的すぎて)気持ち悪い」と捨てゼリフとともに立ち去ってしまった...

もうちょっと言うと,例えば○○の力の運動の予測を運動方程式にしたがって行ったとする.その具体的な問題に対しては「法則」として,運動の軌跡自体をあげることが出来る.例えば,z=gt^2/2z=gt^2/2とかである.これは検証可能で,ある意味で「法則の直接検証」が可能である.これは気持ち悪くないかもしれない.しかし,それでは想定する力ごとに「法則」があることになる.別にそれ自体は悪いことではない.でも,そうしたたくさんの「法則」の背後にどの力でも成り立つ普遍的な「法則」を見付けてしまったとしたらどう思うだろうか.これをやったのがニュートンである.このように考えると,第二法則は直接検証はされないけれでも,実にたくさんの「力」たちに支えられてその信憑性が高まっていることが分かる.それぞれの 「法則」はひょっとしたら,修正が加わるかもしれないが,第二法則はちょっとやそっとでは修正されては困るわけです.なぜならたくさんの力に支えられているからです.これが物理の法則の一つの大きな特徴です.直接は検証出来なかったりしても,ましてや数学的に右辺=左辺なんて証明できっこなくても,それでも信じられるのはこうした構造をもっているからです.

(A \times B) \cdot (B\times D)=...はどうやって示すの?覚える必要があるの?何かの役に立つの?

ううう.覚える必要は無いかな.でも役に立たないと覚えないの?みんな円周率なんて覚えてないだろう.私は50桁くらい覚えておったよ.いまでも倍精度程度は軽く覚えてるのよ.別に対して役に立たないけどね.声に出して見ると,般若信経(漢字ちがうかも)のようなリズムがあるんです.まあ,それはいいとして,一見して右辺と左辺が同じようには見えないですよね.でも,計算すると同じことが示せるんです.それ自体が面白いじゃない?

|_0^{t_1}の意味?

被積分関数を求めたところで,上限と下限をかいているのですが,ちょっと高校のときと書き方が違いましたか.こういう質問は是非どんどんして下さい.

今日の投票用紙の裏より

金曜の朝はキツイです.

えーと,ちなみに私は,木金は五時,普段は六時に目覚しがセットされています.それから15分後には大体起きています.なーんか,じいちゃんの自慢話か?

頑張ってください.金曜の朝はみんなヤバイです.

朝が辛いと言うのは,前回もいいましたね.講義でも一度説明した方がいいのかな.私も朝はきついけど,プロだしな.みんなはプロじゃないから,サボってもいいのか?そうじゃないでしょうね.

最初力学A出ちゃった.

どうでしたか?

シケ対になったので頑張ります.

シケ対じゃなくても頑張ってください.

これからも面白い&分かりやすい授業を期待しています♪

「も」に感謝します.でも,ポイントは「面白い」でしょうかね.期待はずれにならないように頑張ります.

Rattlebackにびっくりでした.

そうですね.びっくりするよね.もう十分に遊んだので私はびっくりすることは無いのですが,それでもこれを一人で遊んでいると,やる気が湧いてくるんです.なんか,「時代に流されてはいけない!逆に,逆に回るんだ!」と励まされているような気がします.

これからも眠くならない授業して下さい.Rattle backすごい*

おうおう,眠くならないのは当り前です.

飛行機の話が分からなかったです.

ちょっとアドリブ気味だったので,説明がわるかったかもしれません.これはレポートにだしてもいいかもしれません.飛行機が旋回するときに,飛行機にはどんな力が働いているのかを考えてみよ.又,その力は何が原因かを考えよ.そうすると,飛行機の羽を水平に保ったまま(ちょっとも傾けること無く)旋回することはありえないことが分かります.

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 82でした.早速,連休前なのに減っている.すごく減っている.ちょっと早いんじゃない?
  • 今日のアンケート
 この講義に期待することは何?
    • たくさん回答を頂きました.いかにそれを書いてみます.
      • 笑いのある物理授業☆
      •  わかりやすさ
      •  物理嫌いの克服?
      •  楽しく物理を理解すること!!
      •  わかりやすさとおもしろさとやさしさ
      •  金曜の一限が楽しみになるような授業!
      •  眠くならない授業
      •  今後も使えるキ
      •  物理Aを凌ぐ授業(内容的に)
      •  休憩
      •  サルでも理解できる分かりやすさ
      •  分かりやすさ
      •  ゆとりを...
      •  数式少なめ
      •  わかりやすさと眠くならい工夫
      •  金曜の朝に家を出てこようと思える面白さ
      •  ほとばしる情熱
      •  手ざわりの良いものを見せてほしい.演習問題ももっとほしい.
      •  演習問題はあんまりいらないよ.
      •  おもちゃ(?)をふんだんに使い,視覚的理解を高めるようにしてほしい.
      •  おもちゃに期待.
      •  今のままで良いと思う.物理をゼロから学んでいる人が集まっている,ということを常に忘れないで欲しい.

と,こんなにたくさん頂きました.ありがとうございました.

  • 面白い講義:面白い講義を期待するのは当然だし,講義をする方はそれは目指すのも当然です.でも,面白いというのはどういうことなのかと言うと,それは「お笑い」をとることではもちろんないですね.たんたんと話していても,めちゃくちゃ面白くて,絶対にサボらないと思う講義もあるはずで,そんな講義にしたいです.わしのはまだまだ邪道な講義です.
  • おもちゃ:それはおもちゃを使っているからです.というわけでもないですけど.おもちゃは自分が楽しんでるだけなんです.おもちゃっていっても,ほんとにくだらないおもちゃばっかりで,でも,やっぱり見ていると面白いですし,考えるともっとおもしろいですね.しかし,期待されると抵抗したくなるなー.
  • 分かりやすさ:分かりやすさを期待する学生がいるのも当然ですね.どうですか?いまのところ.分かりやすいからすぐに分かるかというとそうでもないかもしれません.わかりやすく説明するのは筋をうまくとおすことができて,それほど複雑でない話題を選んでいるからかもしれません.私はそうしている気はします.本質的なことを理解するのに複雑であることは必要無いからです.でも,簡単なことしか考えていないと,複雑なものに出くわしたときにすぐに困惑してしまいます.普段から,困惑する訓練も必要ですかね.

 

  • 前回のこのページの予告どおり,講義の冒頭でおもちゃを披露.しかし,こんなことばっかりしていいのか?
  • 今回はこのページに書くのがすっかり遅れてしまった.実は明日金曜日.ここを書きながら,頭はしっかり前回の講義を思い出す.それはよかったが,学生のみんなには情報が遅くて役に立ってないがな.

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最終更新時間:2007年05月10日 22時37分38秒