トップ 差分 一覧 Farm ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

力学B2007おさらい9

力学B第9回おさらい

今日のおしながき

  • 仕事とエネルギー
    • ポテンシャルエネルギー
  • 衝突現象

今日のまとめと反省

前回は保存力の場合に力学的エネルギーが保存することを示した.今回は,ポテンシャルを見て,力のことがわかったり,運動が想像できるかという問題を考える.もっとも,力からポテンシャルは定義されたわけだから,逆のプロセスは可能である.それを具体的に見てみることにする.近接する2つの位置でのポテンシャルエネルギー差をポテンシャルの微分で書いてみることにする.ちょっと細かな計算だったかもしれないが,冬学期の電磁気ではいやってほどやることになるので,少しでも慣れておこう考えて,微小の計算を示しておいた(関連したことは下にも).結局,ナブラを使って,ポテンシャルにナブラをかけたものになった.これはベクトルである.力はベクトルなのだから,そうあるべきである.一方で,仕事の定義からやはり空間が接近しているときには力ベクトルを用いて表すことが出来る.この2つの眺めると,力とポテンシャルの関係を導くことが出来た.

さて,ここから力の方向を考えてみたいのだが,まず等エネルギー面と垂直方向に力ベクトルは向いていることが分かる.等エネルギー面方向にとった適当なベクトルとの内積がゼロになることが上の式から分かる.後は減るのか増えるのかだが,やはり内積の符号をみると,ポテンシャルの減る方向になっていることが分かる.これは非常に直感的になっていて,ポテンシャルの絵を書くと,その坂をくだる方向に力が働いているというわけである.いくつかの例題でその運動の様子を説明してみる.力の方向が運動の方向ではない例とかもしめす.ポテンシャルエネルギーが運動エネルギーに変換されて,振動がおきるバネの例は運動方程式を解いた後だけに,運動の様子が頭に浮かぶのではないだろうか?浮かばないとダメである.レポート問題はちょっと難しくて,謎のポテンシャルを与えておいて,その時の運動を想像する訓練問題にした.

最後に,衝突の問題を少しだけお話した.衝突はいろいろと難しい問題を含んでいるが,かちかちボールの最後を議論するためにはさけて通れないので説明することにする.次回はすっとびボールの解明もすることにしよう.

今日の宿題

  • 今回は宿題出さなかったかな.レポート頑張ってください.

配布するファイル

  • レポートの解答例:Note-cm-v3.pdf(720)
  • 第三回レポート問題:report3.pdf(82)
    • 今回はちょっと難しいかも...

今日の質問

力の向きがどうしてわかったのか?

ポテンシャルの減る方向が力の向きだが,それがどうしてわかったのか?というのが質問.ちょっと説明も悪かったような気がする.目的は力ベクトルの方向で,それを知るために適当な変位ベクトルを考えたと明確に説明すべきだったね.ここが全ての混乱のもとだったような気がする.

力とポテンシャルの関係は一般にいえることなのか?

講義で求めた式は力と変位ベクトルの内積であって,スカラーの式である.つまり条件は一つしかないわけである.もともと3成分のベクトルを議論しているのに,式が一つでいいのか?というのが指摘されたこと.いいんですね.ここでは変位ベクトルは任意なので,任意のベクトルについて,その式が成り立つにはF=-▽Uでないといけません.

偏微分のところは,どうしてΔは残っていいの?

ここはざざーと説明したところ.あまり考えていないと騙されてしまいそうになって,よーく考えるとやっぱり大丈夫な式になっています.ずれの一次までしか考えないことを実は最後だけでなくて,いろんなところで使っています.そうすると,それぞれの式が変形出来ます.

今日の投票用紙の裏より

梅雨ですね.がんばってください.

暑くなってきました.みなさんも頑張ってください.

第一回目のレポートに赤入れてくださって本当にありがとうございました.

約束ですから.といっても,赤入れたのは私でなくて,TAの大学院生です.

もう分からなくなってしまいました.もし今までの要点をまとめたプリントなんかいただけたら助かります.

僕からもお願いします.

自分のノート以上にはまとめられないので,ノートを見てください.それから,必要以上にまとめられた,高校の参考書のようなものは無い方がいいのではないでしょうか?理屈がわからんと覚えることばっかりになります.

力学楽しいっす!

楽しいけど難しいっす!いや,難しいから楽しいのか...?

楽しいのはいいことです.勉強が楽しいのは,もうちょっとで手に届きそうなことを考えられているときだと思います.講義がそうなっているのはいいことだと思います.もうちょっと難し過ぎると,ちんぷんかんぷんで,それが面白いと思えるのはまたちょっと違う感覚だと思います.逆に簡単だと,面白いとは思えないですね.この意味で,全ての学生が面白いと思えるのは事実上不可能なわけで,できるだけ広い学生をカバーしようと軟硬織りまぜるべきなのでしょうけど,それは難しい.

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 64でした.
  • 今日のアンケートはなし.
  • 今回第二回レポートを返却しました.まだ持っていっていない人は私の部屋の前の封筒にあるので,持っていってください.赤字はティーチングアシスタント(TA)の大学院生の字で,私は青字です.TAの仕事ぶりが猛烈に凄くて,先週の金曜日に回収したレポートが真っ赤になって月曜に帰ってきました.それをばーと見て,コメントを青でいれて返したわけです.我ながら超高速な対応です.「我」ではなくてTAが凄いです.
  • さて,レポートのコメントによい演習書を教えてほしいというコメントが複数ありました.残念ながらあまりよい演習書は知りません.本当に専門的なものだとロシアの人達の演習書は自分もやったし,他にも定評のあるものがあります.TAの学生さんは「単位がとれる」シリーズを薦めていましたが,私は初回の講義で言ったようにお薦めしません(格好の問題で).配った練習問題を解いて深く理解すればいいのではないでしょうか.あまり説得力がありませんね.
  • それから,「仏語とならんで為になる講義で駒場の天然記念物です」(要約)というようなコメントをもらいました.「天然記念物」とは絶滅寸前の生き物ですか?それは間違っていると思います.
  • 昔栄えていたけど,いまはしょぼしょぼなのではないでしょう.ものすごく昔に栄えていたのは,講義なんて聞きたい方ががんばって聞くものと,超然構えて,難しい講義をする先生方ではないでしょうか?それは確かに天然記念物です.時代はそれを許してくれないからです.私もそれでよければそんな講義もしてみたい気はします.
  • でも,それよりも何か知りたいと思っている学生さんが納得できる講義の方がやっぱいい気がするなー.学生さんと話していて,「うんうん」と納得したときの表情は見ていてこれほど気持ちのよいことはありません.「合点がいく」気持ちよさを正しく体験していれば,あとはほっといても自分で勉強出来るものです.なんか新しいことに合点がいくと,友達に話したくなるものだし,わかんないところがあったら,一生懸命悩んで,それでもわからんかったら,友達に相談するもんです.そんなあーでもないこーでもない議論がいっぱいできるのは大学生の特権です.
  • これはよく言う事なんですが,東大に来ることのメリットは何かと聞かれると,「右も左も東大生であること」だと私は思います.私は東大生でなくて筑波大生だったのですが,そのまま大学院に進学したときに,東大の大学院を見て最初にそう思いました.もちろん,スタッフは一流(といわれている)先生方ばかりですが,直接その恩恵を受けることはそうそうないでしょう.すぐ近くにいるのが東大生です.普通に議論することが出来るわけですよ.是非,その機会を活かして,切磋琢磨して下さい.

今回のWEB投票

  • 今日の講義の出来は?
項目得票数
よい 79票 - 投票
ふつう 88票 - 投票
ダメ 88票 - 投票

今回の一行コメント

計算:9×7= お名前: コメント:

[ページのアクセス数: 0000177]

[ページのアクセス数: 0224753]

最終更新時間:2007年06月21日 20時45分25秒