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今日の一言/2011-2-16の変更点

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!!パズル--点独--
ちょっと息抜き.次のパズルを解いてみよう.
{{div style,float:right;,"{{ref_image sample0128935000-puzzle.jpg}}"}}
右のようにある○と□が線でつながれている絵があって,その中の□を■に変える.ルールは次のとおり.
+○や●の部分は何もしない.
+色を塗っていない□は必ず塗った■や既に塗られている●と線で結ばれている.
**■のとなりを■に塗ってもよい.
+できるだけ色を塗る数は少なくする.
**例えば全ての□を塗りつぶしても上のルールは満たされるがそれはつまらない.できるだけ少なくすることがポイントである.その個数はここでは教えないことにする.


□は■や●に囲まれている,つまり□の__点__は__独__りぼっちにするという意味で点独と名づけた.数独は数字を置くが,それよりも単純で色を塗るかぬらないかのパズル.
□と○は■や●に囲まれている,つまり□や○の__点__は__独__りぼっちにするという意味で点独と名づけた.数独は数字を置くが,それよりも単純で色を塗るかぬらないかのパズル.
*この絵のPDFファイル:{{ref sample0128935000-puzzle.pdf}}
*ちなみにこの絵はGraphvizをつかって書いた.そのdotファイル:{{ref sample0128935000-puzzle.dot}}

少し学問的?な話をすると,これはVertex coverやIndependent setと呼ばれる制約充足問題である.グラフ構造として,結合数が3のregular random graphの例を示している.多くの制約充足問題は制約可能相では一般にnode数の指数関数ほどの解が存在する.そのために,唯一の答えを探すパズルにはならない.しかし,全てのminimal vertex cover(maximum independet set)解に共通であるバックボーンと呼ばれる部分が有限の割合で存在することがわかっていて,それをパズルとしてみた.あらかじめ○印で示されているところはバックボーンでない部分であり,それをヒントとして示してある.
*この問題はノード数128で,その程度のノード数の場合は厳密に調べる方法を使うことができる.さらにノードの二乗程度の手続きでバックボーンを求めることもできる.ここでは,ざっくりモンテカルロ法で最小coverを作り出して,XORをとってバックボーンを探した.おそらく正しく求まったと思っているが,そうでないとしたら敗北….


結合数3の問題は58.5%ほど色を塗ったところで,レプリカ対称性の破れる(RSB)相転移を示すことがわかった.この結果はすでに知られていると思うのだが,それに対応する相図(結合数-密度)は見たことがない.ちゃんと論文書いた方がいいかな.
*RSBといってもちゃんとRSBを調べたわけではないことは言っておくべきです.いわゆる,linear不安定化ではないinhomogeneity不安定化条件から出した境界で,確かにそこで解間距離分布が均一ではなくなることがわかる.でも,これだけバックボーンがあって,それでも解空間がぼこぼこできるのか?という疑問がでてくるが,上の○印部分の相関が重要となる.これがZhou氏の言うlong range frustrationというやつだけど,その言い方がよいのかどうかはわからん.