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2017年の一言

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2017-12-1

しょう・しょう・しょう

水野君が第11回分子科学討論会で優秀ポスター賞を受賞しました.

http://www.molsci.jp/prize/prizewinner.html#postersho2017

今年,博士をとった高邉さん(現・名古屋工業大学)と助教の中西さんが「情報理論とその応用サブソサイエティ」(SITA)の若手奨励賞を受賞しました.

http://www.ieice.org/~sita/award.html

少し前だけど,私は「特別研究員等審査会専門委員表彰賞」いただきました.

https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_senmonhyosho.html

ワシだけ研究と関係ないじゃないか!しかも,600中158とは...

2017-9-30

行ってきたよ

第11回高校生理科研究発表会.今年で三回目の参戦.自分の担当のレビューが終わったら,残った時間で精一杯ポスターを見て回る.暇そうにしているところに行くこともあったけど、眼力で引っ張られるところもあった.今年は素朴系の発表が多かったように思った.その意味で良い研究が多かった.複数回の計測をして平均をとることは共通手順になっているようだが,高校二年生くらいで習う分散を実際のデータ解析の中で使われることはなく,誤差棒のついたグラフは一つも目にすることはできなかったことは残念.そのうちに

高校生のためのデータ駆動科学--そのデータ解析結果に心をいれる手続き--

とかまとめてみたいと改めて思う.まあ、修論発表会くらいでも同じこと言ってるんだけど.

2017-9-24

冬学期始まる

一足もふた足も先に学会から帰ってきて、学会はほぼ楽しめず。明日から冬学期の講義が始まる。それはそれで楽しくがんばる。講義ページ

反省のために授業評価アンケートの眺めて,総合評価の得点をプロットする:

こうなるのだな。よいところとわるいところがある。

さきがけ

助教の中西さんがJST さきがけに採択される.バリバリ研究やってます.私が若い頃は「さきがけ」にだそうなどと思いもしなかった.そもそもそんなものの存在も知らんかった.すごい.

2017-9-20

研究会から物理学会へ

新学術「スパースモデリング」の国際会議が京都であり、なんとか終了。そして、明日からは盛岡で物理学会。今回の研究室のみなさんの発表はこんな感じ。

どれも面白いよ。

その前に分子科学討論会@東北大学で水野くんがポスター発表。

高強度レーザー場中の非断熱ダイナミクスのネットワーク構造

2017-8-31

第一回Hartmann杯開催...するかも

スピングラスを題材にしたこんなボードゲームがある。今年の九月にはその提唱者であるHartmann氏が来日するので、大会を行なう予定である。

  • (おそらく)最初の世界大会である
  • (おそらく)トーナメント方式
  • 初手から一手30秒。ただし、一分の考慮時間が合計10回ある(NHK杯囲碁方式).
  • 優勝者は次回大会までタイトルホルダーとして、世界中に自慢してよい
  • 優勝賞金は0円だが、優勝者にはHartmann氏と握手ができる(これはきっと大丈夫)
  • ただし,Hartmann氏が優勝してしまった場合には、私と握手できることとする

第一回Hartmann杯を手にするのは君かもしれない。

2017年9月15日 駒場キャンパス16号館2階
強者の参加をお待ちしております

2017-7-22

RS-RSB/easy-hard 対応

D3の高橋くんと卒業した高邉くんとの論文が出版された

http://journals.jps.jp/doi/abs/10.7566/JPSJ.86.073001

「この問題は簡単か難しいかを答えよ」

という問いは一般には難しい。「誰に聞いているの?」というのは至極まっとうな回答である。難しさの判断は大抵の場合解く人の主観であるから、誰がどのように答えるのかに依存する。そもそも、この問いに何かしらの普遍的な解は与えられるだろうか?

最初の美しい解答は計算理論によって与えらた。解を得るために必要な計算時間やメモリー量に注目しようというわけである。ここから解説し始めるとたっぷりな講義になってしまうので省略。

計算理論による困難さの基準は最悪評価に基づいている。典型的な難しさももちろん認識されているが、その解析や解析するための設定が難しい。もっとも単純な設定はランダムな問題群を定義して、その中での典型的な困難さを評価することである。それはランダム系の統計力学と数理構造は同じであり、そこに現れるレプリカ対称性の破れが典型的な計算困難さを表す概念になりうるのではないか?というのが、物理学者の大いなる妄想である。すなわち、

レプリカ対称性がある=簡単 -> Replica Symmetry = easy
レプリカ対称性が破れる=難しい -> Replica Symmetry Breaking = hard

である。これをRS-RSB/easy-hard対応と呼ぼう。

背景にはスピングラスの研究から「レプリカ対称性が破れると自由エネルギー地形がぐちゃぐちゃになって、それはそれは解くのが難しそうになっている...ことがあった」という数少ない経験則に基づいている。個人的にはこの安易な「描像」には慎重な立場であるが、ものすごくノリ気である。結構、本気なので慎重なのである。すでに最適化問題の対応関係には反例は知られているので、完璧に普遍的な世界があるわけではなく、何かしらの条件付けが必要である。どこまで広いクラスで対応関係が成り立つのだろうか?もう少し妄想を続けてみたいわけである。

今回は、最大独立集合とよばれるNP hardな問題に対して、典型評価を調べたところRS/RSBの転移と、近似解法であるLeaf Removal(LR)が正解を出す/出さない転移がずれているという先行研究に端をなす。近似解法が正解を出す状況はeasyで、出せなくなるのはhardだろうと考えると、その境界がRS/RSB転移とずれているのは、妄想を信じる我々としては大問題である。何か妄想を生き残される見落としがあるのではないかと検討したところ、そのずれの原因は元々のLRがショボいだけじゃないか?というのが高橋くんの指摘であって、ちょっと賢く動的計画法と組み合わせると、改良LRが多項式時間で正解を引いてくる限界がRS/RSBと一致することを見出した。また、一つ妄想が生き残ったという研究であった。

ちょっとだけ研究体制についてコメント:研究室の指導方針として、理論研究なのだから、学生さんは別々に好きなことをやってもらおうとしている。結果として、学生同士が共同研究の論文を書くことはないようにしてきた。これからもおそらくないと思う。ただ、この論文は、高橋くんと高邉くん(現名古屋工業大学)の禁断?の共著論文となったわけだが、高邉くんはもう卒業したからいいか。

2017-6-17

手書き時代に戻るか?!

昔はオーバーヘッドプロジェクター(OHP)を使って、色々ペンで書いた透明なシートで研究発表したものだった。あっという間に液晶プロジェクターが普及して、OHPは死滅した。それに伴い、p*tなどという個別企業の商品名の拡張子がスライドのことを指すようになって、スライドは総じて味がなくなったように思う。動画を見せられると迫力はあるんだけどね。私は*ptを絶対に使わない。

そんな時代と逆行するのが、iPad Pro+Apple Penをつかった手書きスライドなのではないかと思う。(りんごもみんなが嬉しそうに使っていることが理由で拒否し続けてきたけど、これはすごいと思ったのだ。)

スライドは手書き時代に戻るかな。

IMG_0016.PNG

これは研究室紹介での5分トークの中の一枚.5分でこんなことが全部説明できるわけではないけど、いろいろ書けるから楽しくて書いてしまった。そして、思い出したことがある。

自分には色使いのセンスがなかったんだった。

2017-5-29

機械学習なんか嫌いだ

猫も杓子も機械学習の感じが、科学の分野にもやってきた。機械学習や人工知能は打出の小槌でも魔法の鏡でもないはずである。少なくともまっとうな科学者は、その魔法の鏡かもしれないものをしっかりと分析して、反射の理屈を理解し、ピカピカに磨き上げて銀のガラスを作り、可視光以外でも反射させる鏡を作るのだと思う。ちょうど、遠隔作用する謎の磁石なるものを手にしたときのように。

第一波の後は、一気にレベルが下がることは歴史的に何度も繰り返されてきたが、改めて...頑張んなきゃ。

大学院の説明会などがあり、改めて研究室紹介とは難しいと感じる。「機械学習で自然科学を...」という安直な発想の奥にある真のデータ駆動科学を作ろうよ。きっと面白いよ。

2017-4-22

沈黙を破る

気付けば二年近くもWEBページを更新せずに時が過ぎた.

特に深い理由があったわけではないが,情報発信といえばWEBやSNSと決まっていて,それらを頼りに学生が研究室を選ぶ時代に少し嫌気がさしたわけで,WEBがよくない研究室は学生から人気がないとか、WEBがダサいとか言われると,本当に嫌になる.そんなものに頼らないと人が集まらないのならば,学生はいなくてもよいです.きっと,そんなことはどうでもよいのだと思うのです.

このまま沈黙し続ければ筋は通るわけだが...

ちょっと学生が少なくなってきて,少しさびしくなってきたので,情報発信を再開します.

本当はもうちょっとだけ深い理由があって,もう大学人生活の残り期間が見えてきたので,後身を残す努力を怠っては行けないと思うようになったからです.

最も賢い者と最も愚かなものだけが、決して変わることがない。by 孔子

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最終更新時間:2017年09月25日 13時06分11秒