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今日の一言/2010-2-15

卒研発表会

先々週,修論発表会があり,先週,学部の期末試験があり,今日,卒研発表会があり,今年度の教務関係が徐々に終わりを迎えようとしている.今日の卒研発表では,杉田くんが無事に発表を終えた.この前に,ここでもちょっとだけ触れたが,内容は数独を平均場方程式で解いたときにどうなるかという問題.統計力学の問題としては,それほど飛び道具もないが,自明でない様子をみるにはそれなりに楽しめた話題だった.平均場方程式では正しい熱力学関数は計算できないが,それは想定済みある.要点は,平均場方程式の絶対零度の解には真の解が含まれていることで,それをどのように見出すか?という「解き方」が問題になる.適当に解いては失敗するわけで,そこに問題の特徴付けのヒントがないかというのが研究の目的である.アニーリング極限みたいな状況が数独の問題に依存して存在しそうである.その定量化や理論的研究ができれば,さらに一歩前進だろう.うちの研究室では,どうも最近「勘定」問題が局所的にはやっていて,この問題でもそれに関連した発展はできそうである.何の「勘定」かは,今度の学会のときに明らかにすることにしよう.

今日は残念ながら,所用のために卒研発表の午後の部には出席できなかった.それでも,午前中の発表だけでも十分に楽しめた.特に、細胞分化のシミュレーションを研究した学生さんは,1億以上のグラフを網羅的に調べて,分化するネットワークを判別していた.力技といえばそうなんだけど,そんな研究は結構好き.やればできる話だよねーと思うかもしれないけど,だれもやらなくて,やった人が初めてみる事実はしっかりとそこにあるわけで,よくぞその結果を話してくれたもんだと,やってない私でもうれしくなる. 

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最終更新時間:2010年02月16日 09時19分38秒