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日本物理学会2011秋季大会

学会報告@富山大学

第0日目

富山での学会は以前にあったらしいのだけど,そのときはまだ学生でもなかった.今回は,友人の結婚式以来の二度目の富山である.

第1日目(9/21)
  • スピングラスセッション:これを書いているのは帰りの電車の中.初日を思い出すのが一番しんどい.とにかく,一番面白かったのは高橋さんのゼロ点分布の話.論文になっているものは目を通していた.温度カオスとの関係は議論はふわふわしているのになんだか最後の結論だけ強くなっていて気に入らない.そことの関係はちゃんとはつかないと思うので,温度カオスとも磁場カオスともちがって,ちゃんと複素温度カオスと言うべきだと思う.ちょっと省略して,complex chaosなんていったら,なんの話かわからないけど,いいのではと本人にすすめておいた.松田くんの相図はちょっと面白かった.まだこんな話があるかっということと,complexity0の1RSB相の存在だが,つっこみを入れると,ツッコミかたがわるいと伊庭さんにつっこまれる.準安定状態が一個とか言ったものだから,指数関数にとどかない多項式程度も当然あるでしょうというのがその趣旨だったけど,まあ平均場模型でエントロピーもってないとすると数個しかないと思ってよくて,多項式って変態的ですね.あとは…
  • 情報統計力学セッション:前半は座長.無難にこなした.思わぬ聴衆がきて,少々びっくり.それにしても樺島さんの話はすごい.CSの威力をやっと認識する.ちょっと反応遅すぎ?>自分.あいかわらず時代に乗り遅れている.後半は講演があった.このセッションでトークするのは実は初めてではなかったか.いろいろあってめちゃくちゃ緊張していた.これは本当は面白い話かもしれないと思うところがあったからだが,どうでもないかもしれない.根本さんには気に入ってもらって,北大のSTMグループに宣伝しておいてあげると言われた.しかし,そこでも話題になったが,現在の主流はSTSなので,そこまで対応するにはもうちょっと時間がかかりそう.事前分布の問題におちない可能性もあるので,ポイントを考えないといけないと改めて思った.
第2日目(9/22)
  • 情報統計力学のセッション.久々にまじめに聞く.なかなか面白い話題が多かった.自分の質問は常にポイントを外していたように思うのだけど,まあ楽しかったから…
  • 終わってすぐにスピン系にいく.原田さんと諏訪くんの話.原田さんのプレプリントも出ていたけど,読んでなかった.目をつぶって有限サイズスケーリングをやる方法だが,現状では最強の方法だと思う.例題が二次元イジングなのはきっとよくない.正解をしっている例題であることは重要なんだけど,それ以外に問題が簡単で,補正の指数が大きいし,スケール変数を逆温度にすると高温極限まで補正項が非常に少なく見える特別な問題になっている.スケーリング領域がわからないことがFSSの困難な問題なんだけど,それが気にならない例はきっと何をしてもうまくいく.諏訪くんの研究は少し展開したいのだけど,その戦略は人には言えない段階.
  • ポスターセッション.何人かの発表をじっくり聞かせてもらう.勉強になる.そのうちにかえって宿題ができてしまう話もあった.たとえば復元抽出と粒子数一定の確率変動型サンプリングの有限サイズ補正が大きいのはどちら?とか.ぱぱーと頭が動いて,スパーンと答えられるとかっこよいだろうなーと思うような問題ではある.
第3日目(9/23)
  • どういうわけか高温超伝導シンポに.psudo-gapの現状をいろいろな実験と理論から眺めてみることが主眼.他の分野の人間からみて,勉強になる.研究者のコメントも示唆的で,学会誌の特集号とはまたちがう感じがして面白い.それにしても,STSはすごいなー.解析法としても確立しているように見える.
  • 午後は,川村さんのチュートリアル講演.物理学会でチュートリアル講演とはめずらしい.慣れていないこともあるが,チュートリアルが何かを理解している聴衆は少ないように感じた.何度かやってそういう文化を作るべきなのだろう.それにしても,どのような経緯があったのかは学会誌で説明してくれてもよいと思う.
  • その後は,これはまたどうしたわけか,表面のシミュレーションセッション.第一原理の非平衡計算の話を聞く.難しくてよくわからなかった.基本的な問題が第一原理計算の対象になることに素朴におどろくとともに,非平衡のような原理がわからないところをどうせめるかは難しい問題だとおもう.
  • それから,HPCの生体シミュレーションのセッションに移動.北尾さんの話の途中から参加.迫力がすごい.ちょっと参考になる方法があったので,勉強.最後のQM/MMで自由エネルギーというか有限温度の効果をとりこむ試みを聞く.なるほどね.びっくりするような方法ではないけど,きちんとした感じがよい.講演を聞いていると,どこをさぼってどこをがんばりたいかがよくわかる.自分の計算にもこれ使えばよいのだと気づいた.講演の後に質問してみると,やはり気持ちのよい解答が帰ってきた.こういう若い人はいまはQM/MMとかやっている理論化学に多いのではないかと思えてしまう.
  • 夜は久々に師匠を囲む会.酒好きが集い楽しく時間が過ぎる.
第4日目(9/24)
  • 午前中にガラスセッションへ.小林さんの実験が面白いというか,きれいに整理されている.前の学会のときにも同じようなことを書いた気がする.どこまでエージングで平衡に迫れるのか気になる.経験的なTgよりは低温にいっているのはよいとして,原理的限界はあるのだろうか.休憩後にはよしのグループと宮崎グループの発表.元気のよい大学院生がいた.すばらしい.最後に松井さんがワールド全開でした.第二近接に強いポテンシャルミニマムをいれたモデルで変な五角形の異方的な相が出現して、それにともなって等方的なガラス転移があるらしい.
  • 今朝の新聞には光よりはやいニュートリノの話がでかでかと一面を飾っていた.物理の話題が一面をとるのはなかなかないこと.それでもこの話題はどこまで信じて良いのだろうか?村山さんのコメントに,本当ならば超新星爆発のときに数年単位でさきにニュートリノが到着することになり整合がとれないとあって,なるほどねと思った.CERNの研究者も同じようなコメントしていた.素朴にはおかしな結果.もちろん,実験グループも慎重に検討した結果とのことらしい.物理学の根幹をゆるがす事柄なので大事件は大事件なのだけど,いろいろとスケール変換するともっとスケールの小さい研究室でも同じような小事件は日常的に起きているわけで…複雑な心境.本当に社会はこの問題の意義を共有しようとしているのか,あっち側の話として記事になっているのか?これでタイムマシーンとか出てくるのでね.

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最終更新時間:2011年09月25日 22時06分10秒