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日本物理学会2013@広島大学

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日本物理学会 春の大会@広島大学

過去に何度か広島に訪れたことはある.最初は中学校の修学旅行.つい最近は去年の11月の研究会で,広島市立大学.その間に物理学会があった...はず.ただ,まったく記憶がない,本当に.新しいキャンパスはなおさらで,ひょっとしたら初めてかもしれない.宿泊はバスセンターの近くにとる.以前に広島のバスシステムは充実している印象があったので,バスセンターの近くにいれば,どこにいくにも便利だと思っていた.ところが,広島大学は遠かった...街の印象は最後に.

1日目

シャトルバスの予約はしなかったので,朝食もそこそこに路面電車で広島駅に,電車で西条に,バスで大学に,普段の通勤と同じくらいの時間をかけて到着.すでに疲労感が低くない.

磁性セッション

最初に磁性セッションにいく.目的は田畑さんの最新実験結果を聞きに行くためである.自分の結果がさっさと出ていれば早めにコンタクトをとって情報交換ができたのだが,そうはならず学会当日になってしまった.田畑さんの実験は長距離スピングラスのエージング実験で,見事にtwin 実験を成功させていた.この実験の大変さは正しく理解していないが,この実験を成功させているのはウプサラ以外にはないのだから,大変ですね.ΔTを増やしてカオス指数を評価するのが次の一手であるが,「大変」の二乗くらいだと思う.この実験を学会会場で理解できた人はそうはいないと思うけど,温度を変えると平衡状態がある長さスケールを越えると全くことなるという実験事実には素朴に驚くべきだと思う.他には,谷口研の学生さんはPtMnだったか,異方性が大きいと考えられるPtベースの金属スピングラスでのGT線と臨界指数を評価していて,異方性の効果でAT-GTクロスオーバーは確認されるが,臨界指数はcanonical SGと同じということが綺麗に示されている.異方性が変わると臨界指数が変わるのではないか?という説がCampbellさんからでたが,それをきれいに否定した形になる.丁寧な仕事で,Campbellさんたちの実験への解釈も大急ぎで説明していて,ちょっと納得.その意味ではδTが小さいところでgammaを見積もるベキ則からちょっとズレているように見えたのが気になるところ.この丁寧な実験をした学生さんは4月から社会に出られるようである.川村研の学生さんもしっかりしていた.異方性のあるスピングラスの数値実験で,カイラルグラスがどのようにスピングラスに見えるのかを示す大事な研究である.どうやらスペインのグループがまったく変な論文を出しているらしく,それを覆そうとしている.少なくともその学生さんの話を聞くと,スペイングループはぐちゃぐちゃでレフリーがちゃんと見つけられるだろうと思うような変さ加減.きっとわざとではなくて,初歩的なデータ処理ミスなんじゃないかと思う.それはよいとして,何かのratioを観測していて,PNASの論文で議論されている量とのことだけど,相関比と本質的に変わらない量なんではないかと思うのだけど,そうだとするとそれは富田さんたちの仕事では...ちがうか.最後の三角格子+disorderは対角化でストーリーを作るのだから,さすが川村さんというのが昼食のときの話題.

ガラスセッション

午後はガラスセッション.

その他セッション

夜とか昼食とか,学会に来るといろんな人に議論してもらえるのがよい.今回は議論というか教えてもらうことが多い.長距離相互作用のO(N)法について,藤堂さん,富田さん,尾関さんの使い手に詳細を教えてもらう...というか,自分のやったことを説明するとそれが鈍臭いということをいろいろと教えてもらう.勉強になる.

2日目

午前前半:スピングラス

宮崎さん@西森研のなぞのフラストレーション転移と強磁性転移濃度の関係は何度きいてもよくわからない.どう頑張ればよいのかよくわからない.リエントラントの証拠になったりすると面白い.坂田さんのDRT+Cはちょっと面白い.明らかに近似理論なのだけど,どのくらい定性的なものを捕まえているのかがわかればよいと思う.内部で平衡状態の情報を使っているので,非平衡ダイナミクスの例えば有効温度のようなものが捕まえられると面白くて,RSBなどを取り込めれば...と期待は広がる.私はRKKYIsingの話.まあ,ちゃんと計算できていないのだけど,本格計算するまでに直せばよいところはいろいろ教えてもらったのはよかった.SG転移の臨界指数は短距離型と大きく異なっているところは田畑さんには評価してもらった.kfの問題もあり,磁場中にいくにはまだ少し距離がある.

午前後半:情報統計力学セッション

もうスピングラスでは独り立ちできないのである.座長があたっていたので,四の五の言わずに座長する.無難にこなす.最近ものわすれが激しいので,1講演中に思い浮かんだ疑問を質問時間までキープできないことが多い.海馬がいかれているのか...とにかく,座長はそれではダメなので,必死でメモをとる.想起記憶は壊れていないようで,メモをみるといくらでも質問できるわけである.まあ,そんなに頑張らなくてもみなさん質問して盛り上げてくれたのでよかった.

午後はポスターセッション

酒井くんと高邊くんがポスター発表をするので,見に行く,ではなく,指導しにいく...ではなく,やはり遠巻きに見に行く.酒井くんの方はやや一般的な話題だったので,適当にちゃちゃ入れられていて,高邊くんの方はディープな人たちがからんでいるようだった.他には,郡さんがポスターをされていて,流石に人が群れていた.小松さんの保存系の乱流や観山さんのまわすスピン系の話を聞かせてもらう.最近ANNNIの話をちょくちょく聞くのだが,白倉さんが粘っていて,どうも中村さんたちの話と結果が違うように見えるのが,本格的?になってきた感じだった.

ちょっと情報統計セッションに戻ってくる

まだまだポスターセッションには気になる話があったが,セッションにもどる.三好さんたちが集団学習の話をされていて,平間ー福島の線形版+ノイズの展開をされていた.わざわざ引用してもらって恐縮です.元はと言えば,三好さんの研究に興味をもって,追っかけた話だったので,元にもどった感じでしょうか.やはり,中間教師は学習を止めてはよくないという結果ですが,理由はノイズの効果のようです.まあ,我々も年ともにボケて簡単な問題でも間違えますからね。

3日目

午前中は全体シンポジウムは失礼して,ホテルで仕事.

分散力シンポジウム

午後はこのシンポジウムに留まる.たんぱく質の第一原理MDができる時代がくるのだろうか.

4日目

ポスター・セッション

特に目当てがあったわけではなかったが,ポッと入って,二つ三つツッコミをいれてみる.一つは

午後は古典スピン系

またしても座長があたっているので,最後までセッションにでる.1学会1座長にしてくれてもよいと思うのだけど...

  • 前回の記憶はないのだけど,夜にぱっと入って飲めるワインバーが多かった.いずれも深夜までやっているわけではないが,気軽にのめておいしく印象のよい店ばかり.今度広島にいってもまた寄ってみたい.瀬戸内レモンのサングリア?みたいのものおいしかった.

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最終更新時間:2013年04月16日 08時35分29秒