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4月の一言

2006-4-28

堺さんの物性セミナー

今週は今学期の典型的な日程の一週間であったので,どのように過ごせるかを考えるよい機会だった.今学期は大学にいるときには埋まっている時間が多くて,すき間をうまく使う必要がある.蛍光灯タイプの私にとっては,すき間は苦手である.

今日の物性セミナーは堺さんの一次元スピン系の輸送の話.最後の磁気的ゼーベック効果の話は初めて聞いた.温度勾配のある系で伝導特性に顕著な温度変化があるこの手の話は自分の中でブームになっている.セミナーの後で加藤さんに教えてもらったが,通常の電気伝導でも超伝導でゼーベック係数の符号が温度変化で変わることがあるらしい.ホール係数も変わる.この前の学会で聞いたコロイドのSoret係数も.今日の例では堺さんの図解はよかったが,メカニズムはそれぞれにわからないらしい.一般論ができるか?

全く関係ないが,駒場の裏門を出たところにある喫茶店が明日閉店する.伊庭さんに教えてもらったその店は二十数年営業していたようで,たびたびお昼に訪れたこともあり,全く寂しい限りだ.

2006-4-27

中原さんのセミナー

10時半に講義のために居室を出て,昼に30分もどって来てパンを食べ,再びセミナー+セミナーに出かけて,もどって来たら6時半という一日だった.2つめのセミナーは中原さんによる乾燥破壊実験の話であった.泥を揺すってから,乾燥すると揺すった方向を記憶していてヒビがはいるという話で,二年くらい前に実験室をのぞかせてもらったときは,基本は垂直方向だが,縦にも入るのがあるのだと,数多くのひび割れをみせてもらった.今日の話ではその後の成果がもの凄く整理されてきていた.セミナーの途中でビビ割れ方向についてのクイズが出されたが,大きな声では言えないが私は3番目の方向が外れた.というか,わかっていなかった.それにしても,まさに「切り分けの妙」という実験であった.最後の議論のところでは,シナリオを切り分ける実験をスパーンと提案できれば格好よかったのだが,そうは簡単にはいかないよな.

2006-4-22

統計物理学フォーラム

第0回がはじまる.

2006-4-21

清水さんの集客力

今日から物性セミナーが始まった.基礎科の4年生から東工大すずかけ台の方まで,そして多くの駒場のスタッフと総勢60名以上の人で立ち見であふれかえった.セミナー後もスタッフが数人残って,議論(というか雑談)が続いた.宣伝がうまくいったのだと思うが,それにしてもこれだけの人が集まるとは,参りました.

2006-4-20

研究室の境界

大学院が研究室に分れていることには基本的に賛成である.大学院生は研究室に入って,精一杯研究すべきだし,研究室でこそ成長できるのだと思っている.しかし,一方で,(特に理論の場合)専門にのめり込むばかりではなくて,同時に広い視野とバランス感覚も磨くべきだとも思っている.それは,研究室の境界を少し越えたところで養われる.今の自分が,量子スピン系の話や固体物性論の話をすぐに理解できなくても,興味を持って聞くことが出来るのは大学院のときに養った感覚である.その意味で当時の筑波大学物理は良い機会を提供してくれていたのだと思う.私もそんな機会をここ駒場で提供したいと強く考えている.その一つは明日からシリーズが始まる物性セミナーであり,またもう一つは今日から始まった輪講である.今日の輪講には5研究室から総勢10人の院生が集まってくれた.それぞれ院生さんたちの研究分野は物性理論と言えば共通だが,スペクトルはかなり広い.それが集まって一冊の本を読むんだから,面白くならないはずがない思う.ちょっと輪講をするには人数が多いのだが,できるだけ有意義な時間が過ごせるように頑張って行きたい.

学生が大学院の研究室を選択する材料の9割以上はボスの資質だと思う.研究内容が面白いとか,勢力的に研究しているとか...なので,学生に来てもらうためには自分がバリバリ研究するのが一番である.これは研究室単位の競合であり,多くの場合競合相手は別の大学にいることになる.もし,残りの材料があるとすれば,それはその大学院の持っている「雰囲気」とか「薫り」なのかもしれない.なんとなく訪れてみたくなる雰囲気ってあるのではないだろうか.今いる大学院生が研究室の境界を少し越えたところで交じりあって(もちろん私もまざりたい),「駒場に来れば切磋琢磨できる」というような雰囲気がうまくできればよいと思う.大袈裟かもしれないが,こうしたことは大学間の競合に負けないために我々にできるこましな正攻法の一つなのではないかと思う,けっしてCOEをとってくるとかではなくて.

今日は一言ではなくなってしまった.

2006-4-18

10年前の自分

今日は研究室のセミナーで自分の話をした.駒場ローカルの掲示板で告知したり,昼食時に加藤さんに宣伝してしまったこともあり,多くの人に聞きに来てもらった.宣伝しておいてなんだが,わざわざ来てもらうほどの話なのかと恥ずかしく思った.それでも聞いてもらってよかった.やはりクロスオーバーの問題はもう少しはっきりさせないといけない.でも,誤解しているかもしれないが,クロスオーバーが見えてるのはrunnning gとかeffective exponentで,くりこみ因子を積分した自由エネルギーから出て来ている量ではないのではないでしょうか.もう少し熟考してみたい.

さて,夕方から物理部会で歓送迎会があった.行く前は全く気がのらなかったのだが,数杯飲んだらよい気になってしまった.さらに,4月に来られた素粒子グループの菊川さんのスピーチに私のことを触れてもらったのが結構うれしかった.私が筑波大の院生だったころ,ポスドクとして来られた菊川さんと一年の間オーバーラップがあった.もう10年以上前のことである.当時はお茶部屋での定例飲み会でご一緒するだけの間柄だったが,僕ら院生からみてポスドクの菊川さんは光輝いていた.当時,格子QCDの一大拠点だった筑波大で,堂々とlattice批判をされていたり,さっと九後研の助手になられたのは,まぶしい かぎりであった.こんな先輩になりたいと本気で思わされたポスドクであった.それから10年以上たって,再び所属をご一緒できるのは,なんというかうれしいもんです.10年前のヘコヘコ大学院生時代よりは少しくらいは物理が出来るようにはなっているだろうか.

2006-4-17

100年前の本

理由あってちょうど100年前にPlankによって書かれた輻射の本をじっくり読んでいる.いやー,難しい.でも,去年の物理100周年をあまり堪能できなかったので,今年,100周年記念を楽しんでいる.確か,Weissの強磁性理論も1906年だったと思う.

2006-4-14

講義の季節

昨日から新学期の講義が始まった.今日は久々に金曜の一限の講義ということもあり,気合いが入る.また,少なくない時間に間,心が奪われることになるが,講義では若い学生からエキスを吸い取れると思えば,お互い様かな.

2006-4-11

駒場キャンパスの雰囲気

新学期が始まり,キャンパスが賑やかになってきた.先週はサークルの勧誘でキャンパス中チャラチャラした感じで,東大といえども所詮ただの大学という感じであった.それに,せっかく学問を志してくる(はずの)学生を「早速サークルまみれにするなよー」と不満に思っていた.が,今週はさすがに適度に緊張した感じのフレッシュマンがキャンパスに溢れている.そして,私にとっても新学期が始まろうとしている.

2006-4-10

統計物理学フォーラムへのアクセス

昨日,メーリングリスト等で今月からはじまる「統計物理学フォーラム」の告知が始まった.案内用のページを私が担当することになり,このページの上からもリンクをはった.とたんにアクセス数がドドーンと増えた.もちろん,告知の効果なのだが,アクセスログを見てみると,おおよそ半数は田崎さんの日記からやってきているのには驚いた.statphysのメーリングリストと同じくらいの効果が個人のページにあるんですね.ちなみに私のページからのアクセスは約1%でした.

2006-4-7

基礎科学科の雰囲気

夕方からの新歓パーティーに参加する.私の基礎科の担当は4学期の統計熱力学で,前学期に既に修了している.加藤雄介さんには以前に4学期の講義の大切さを指摘されたことがあった.4学期の講義には「これから進学する基礎科には何かがある」と思わせる役目があるということだった.最後の試験には教室が満員になるくらいだったので,まずまずかと思っていたが,今日パーティにいた3年生の半分くらいしか,顔がわからなかった.あれっ?でも,昨年と同様に元気のよさそうな学生が多くて,将来が楽しみです.

2006-4-5

筑波のシンポジウムへ参加

午後,雨降る中,筑波へ出向く.つくばエクスプレスのおかげで,かなり近くなった印象.以前の広かった公園がどんどんホテルやら会議場に変わっていた.

この手のシンポジウムは個々の講演者の当たり外れが非常に大きい.それでも物理・化学系の方の話しは安心して聞ける.舘野さんとはじめてお話できたのはよかった.今後目指す一つの方向は認識できた.「Petaへ向けて」というのは手持ちのカードが決まっている分野にはよい標語かもしれないが,そうでない分野にはカードを整えることも同じくらいに(場合によってはそれ以上に)大事で,「mSecへ向けて」という方が健全な気がする.

2006-4-4

徐々に移行中

講義が来週から始まります.それまでにやれることをやっておかないとね.

2006-4-3

研究室のサイトを修正中

新しい院生がやってきて,すこし賑やかになるかな.今年の輪講は,M1の希望により,

G.Parisi, "Statistical Field Theory"

になりました.興味のある学生さんはどうぞ御参加下さい.もちろん,これは教育活動なので,駒場に席のある人に限ります.

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最終更新時間:2006年04月26日 21時39分32秒