大学院・統計力学2008
2008年夏学期 大学院・統計力学
このページでは上記講義に関する情報を載せています.
- 担当教官
- 福島孝治 (居室:16号館221A号室, e-mail: hukusima at phys.c.u-tokyo.ac.jp)
- 講義室
- 駒場キャンパス16号館827教室
- 講義日
- 月曜2限 10:30ー12:10
- 対象
- 総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系
講義内容
相転移と臨界現象は,統計物理の一つのテーマとして研究が続けられてきた.これまでに多くの基本的な概念や多体問題への解析手法が開発され,それらは物性物理だけでなく周辺分野へ展開されている.相転移と臨界現象に関する知見を整理することは,物性物理を学ぶ学生だけでなく,広く一般に有益であると考えられる.そこで,本稿義では,学部レベルの統計力学を履修した学生を対象に,相転移と臨界現象の基礎理論を解説する.
概要
(アドバンスな)平均場理論/相転移の存在・非存在証明/対称性の破れと長距離秩序/Kosterlitz-Thouless転移/くりこみ群の方法
古典的な論文の読み切り解説を計画しています.
成績評価
講義中および終了時に出すレポートによる評価.
教科書
特別にある教科書にそって講義をすることはしません.ただし,幾つかの参考書は初回の講義で解説します.また,文献・出典については講義の中で随時おしらせします.
講義日程
日時 | 内容 | おさらい | 投票人数 | |
---|---|---|---|---|
2008/04/14 | 第一回 | 講義のガイダンス,相転移とは | おさらい1 | 25 |
2008/04/21 | 第二回 | Weissの平均場理論 | おさらい2 | 27 |
2008/04/28 | 第三回 | Bethe-Peiels-Weiss理論,TAP方程式 | おさらい3 | 24 |
2008/05/12 | 第四回 | Lee-Yangの定理I | おさらい4 | 19 |
2008/05/19 | 第五回 | Lee-Yangの定理II | おさらい5 | 19 |
2008/05/26 | 第六回 | Peielrsの議論,Infrared Bounds | 17 | |
2008/06/2 | 第七回 | Hohenberg-Mermin-Wagnerの定理 | 17 | |
2008/06/9 | 第八回 | Kadanoffのスケーリング理論 | 15 | |
2008/06/16 | 第九回 | Migdal-Kadanoffの方法 | ||
2008/06/23 | 第十回 | Kosterlitz-Thouless理論 | ||
2008/06/30 | 第十一回 | Metropolisの方法 | 11 | |
2008/07/7 | 第十二回 | Binderの有限サイズスケーリング | 13 | |
2008/07/14 | 第十三回 | Edwards-Anderson理論 | 16 |
レポート問題
単位を出すために,レポートを課すことにしました.課題はこのプリントです.掲示板にあるものと同じものです.〆切は8月末日とします.:Report-SM-2008.pdf(244)
一行コメントを受付中
- 掲示板だとスパムがひどいので,簡単な認証をとった一行コメントにしました.
- 今日はじめて福島先生がこんな興味深い講義をされていることに気づきました。駒場の学生が大変うらやましいです。 - 東工大の松田です (2008年07月28日 17時02分45秒)
- おお.松田さん.西森先生の教科書にはかないませんよ.西森先生の教科書と違ったテーストを出すための苦肉の策って感じです.各回でどんな感じの話をしたのか「おさらい」を書きたいのですけど...そのうちに書きます. - ふくしま (2008年07月28日 18時22分44秒)
- うちは西森本(やさしいほう)をたらたらやってます.量子系を分離して古典統計力学のエッセンスの講義としたところは見事というか歴史的に重要ともいえるのですが,一方で物理じゃない人を交えてやっていると,物理学者の書いたものだなあ,とも思います.「こうである」と書いておいて,「実はこういう意味だ」みたいなことは他では許されないですよね.. 原著論文購読のほうは,まあありがちではあるんですが,やっぱり自分で再構築した話をするのには及ばないかも.たとえば,Lee Yangといっても原論文では,格子ガス模型,解析性,そして円定理と多数の役者が同時に登場しますし,ビリアル撤回 - 伊庭 (2008年08月14日 00時08分29秒)
- うちは西森本(やさしいほう)をたらたらやってます.量子系を分離して古典統計力学のエッセンスの講義としたところは見事というか歴史的に重要ともいえるのですが,一方で物理じゃない人を交えてやっていると,物理学者の書いたものだなあ,とも思います.「こうである」と書いておいて,「実はこういう意味だ」みたいなことは他では許されないですよね.. 原著論文購読のほうは,まあありがちではあるんですが,やっぱり自分で再構築した話をするのには及ばないかも.たとえば,Lee Yangといっても原論文では,格子ガス模型,解析性,そして円定理と多数の役者が同時に登場しますし,ビリアル展開についての当時の理解とか,リーマン予想との関係(無関係?)とか,その後の円定理とか,いろんな要素のどこに力点を置いて紹介するのか・・ - 伊庭 (2008年08月14日 00時10分06秒)
- 伊庭さんがやってきました.西森本のことはここではあまり...Lee-Yangは格子ガスと定理I,II,IIIの話をしました.講義の前後から,ここで相転移での熱力学関数の解析性を指摘しておいて厳密路線に進みます. - ふくしま (2008年08月14日 22時03分31秒)
[ページのアクセス数: 0000300]
[ページのアクセス数: 0011018]
最終更新時間:2008年08月14日 22時12分31秒